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考えさせ
られる

この投稿は、ゴールド賞を受賞しました!
テーマ名:講談社「民主主義とは何か」

  • まーさ

そもそも民主主義とは何なのか?を考えさせられる。

二十世紀になり、第二次世界大戦後に世界の先進国は「例外的」な平等社会を経験する。それは「総力戦、相続税や累進課税の導入、そして高度経済成長」のたまものだった。ここから「資本家・富裕層と労働者層との間に福祉国家をめぐるコンセンサスが成立し、いわば戦後民主主義の安定期を迎えた」。吉田徹の『アフターリベラリズム』でも語られていたとおりこの「リベラルコンセンサス」は脆くはかなく、1970年代にはオイルショックもあって早くも岐路に立たされる。その後サッチャー、レーガンなどののちに新自由主義と呼ばれる政策が実施されると格差が再び拡大し、中間層が没落し、持てるものと持たざるものとの分断が深まっていく。これが今日の民主主義の行き詰まりにつながっている。

本書は民主主義とは何か、というギリシャ時代から今日まで続いている民主主義の歴史を追いつつ、その定義の曖昧さ、思想的な不完全さ、制度としての困難さを明らかにしていく。チャーチルが「民主主義は最悪の政治形態だ(ただし、これまで存在したすべての政治形態を除いては)」という言葉で表現したとおりである。ベストがないなかでのセカンドベストが民主主義なのだ。

二十世紀になり、第二次世界大戦後に世界の先進国は「例外的」な平等社会を経験する。それは「総力戦、相続税や累進課税の導入、そして高度経済成長」のたまものだった。ここから「資本家・富裕層と労働者層との間に…

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民主主義とは何か
宇野 重規講談社
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